炎色反応・他 の実験


  23年前の旧版で一連の実験をやりましたが、あまり画像が良くなかったので、久しぶりに今回、再度 UPしました。



  1. 演示用の 炎色反応実験:


  熱エネルギーによって最外殻電子が励起された結果、高エネルギーの軌道に遷移した電子が基底状態へ戻る際に、その差分のエネルギーを電磁波として放出する。 その波長が可視光の範囲にある場合、その元素の特有の色を呈し、物質を区別することができる。 この方法は、簡易な定性分析や 花火の着色などに利用されている。
    ex) ナトリウム D線: 黄、589.0、589.6nm、 カリウム: 淡紫、404.4、(766.5)nm、 リチウム: 赤、670.8、610.4nm、 ストロンチウム: 深紅、460(青)+605(赤)nm、 銅: 緑、510nm、 インジウム: 藍、410nm、など。  青色(セシウム:青紫など)ほど高熱源(酸水素炎など)を必要とする。


  演示用ということで、バーナーや アルコールランプの代わりに、無水エタノール約20ml酢酸カルシウム飽和溶液約6ml(35g/100ml水・20℃)を 円錐形に丸めたOHPシートの中で混合し、可燃性ゲルを作って アルミホイル・カップに入れて、その上に 試料の塩(えん)の粉末や 濃溶液をかけて 点火する。 5〜10分間燃え続ける。
  かける塩の量は 約0.5g程度で、やや多めの方が良い。 酢酸カルシウム(1水塩〜無水)は、氷酢酸と石灰を中和、蒸発乾固させて 安価に作ることができる。(160℃で分解) ((注) 酢酸マグネシウムや メタノール等では ゲルにならない。)
  エタノールで濡れている間は、Caの橙色が出ることはなく、エタノールの青色の炎となる。

  塩の種類は、とりあえずありあわせの物を使ったが、できれば 塩化物に統一した方がきれいに見えると思われる。 塩化カリウムは着色が弱いので 炭酸カリウムにしたほう良いかもしれない。 ホウ酸はエタノールに溶けるので 溶液として アルコールランプ等で直接点火できる。 ナトリウムは強い黄色で 他にミストがかかると黄色くなるので、これだけやらないか、離して、あるいは一番最後に行なう。

  量が多く 有害なミストが発生するので、換気を良くする。 因みに、タリウム塩は 緑 、 セレン化合物(亜セレン酸など)は 青、になるが、どちらも猛毒なので ドラフト内で 従来の白金線で小規模に行なう。

   




  1’. 彩色火薬の燃焼実験:  換気注意

  ・ 赤色(深紅): KClO4(過塩素酸カリウム) 3.5g、 SrCO3(炭酸ストロンチウム) 0.8g、 馬鈴薯デンプン 1g、   ・ 緑色(黄緑): KClO4 2.3g、 Ba(NO3)2(硝酸バリウム) 1.5g、 馬鈴薯デンプン 1g  のそれぞれの混合物を、シリカ皿(熱ショックに強い)に入れ、少量の塩素酸カリウム+マグネシウム粉末を上に乗せ、マグネシウムリボンを差してこれに点火する。
  (追記) 青色: KClO4 3.5g、 ろくしょう(CuCO3・Cu(OH)2、硫酸銅+炭酸アンモン製(Na不使用)) 0.4g、 PVC紛末(ポリ塩化ビニル微粉末、200メッシュ) 0.2g、 デンプン 1g を混ぜて シリカ皿に盛り、同様にして点火。

   (注意) 混ぜるとき力を入れず、紙の上でごく軽く混ぜること。 多量に作らない事。 塩素酸カリウムは敏感なので使わない事。 セラックや塩化ビニルで固めると強力な爆発玉になるので 絶対やらない事。 硫黄を混ぜると有害ガスが発生する。
   (参考) 花火の火薬の組成
  




  2. 硼砂球反応: ・・・ 遷移元素イオンの色 @


  典型元素は、一番外側の電子軌道に電子が一つずつ入る のに対し、遷移元素(第3族〜第11族)は、原子番号が増えても、一番外側の電子軌道ではなく、内側の電子軌道に電子が一つずつ入る。 すなわち、第4周期の Sc〜Cuまで、最外殻電子軌道(4s)にはすでに2つずつ電子が入っていて、その内側の3d電子軌道に原子番号が増えるに従って電子が一つずつ入っていく。(一部、Crと Cuで軌道が入れ替わるが) これらの最外殻電子が取れた状態の +2価イオン3d電子が、そのイオンの色を決める。 3d電子の外側に何もないので鮮やかな色になる。
  一方 希土類元素は、希土類イオンの色を決める4f 軌道の外殻に、電子が詰まった5s、5p軌道が覆いとなって、薄いくすんだ色になる。


  硼砂球というガラス質の媒体に金属イオンとして固溶した状態を作り、その遷移元素イオンの特有の色を確認する。 還元炎で加熱すると 金属単体や酸化物の形で析出する場合がある。

  白金線を軟質ガラス(ソーダガラス)管の先を伸ばして差し込んで、加熱封入し、この白金線の先を やや大きめに(φ3〜4mm)環状に曲げておく。 白金線をアルコールランプで加熱して、硼砂ほうしゃ、四ホウ酸ナトリウム・十水塩、 Na2B4O7・10H2O)につけて さらに加熱すると、一旦膨らんで脱水し、最後にガラス質の球となる。(↓) これをもう一度繰り返して、環に一杯の球になったら 冷えるのを待って、各種塩(えん)の濃溶液に軽く漬けて、バーナーで高温まで加熱して、塩を硼砂球によく溶かす。色が薄いと思ったらもう一度液につけて熱する。
  ・ 酸化ネオジム(Nd2O3)は 粉末を数回十分に付け、高温で充分加熱して固溶させる。 クロム(Cr2(SO4)2・nH2O)も溶けにくい。 因みに、銀(AgNO3)は酸化炎で無色透明になる。
  ・ 金(Au)とロジウム(Rh)は 1000ppmの原子吸光用基準液に 3度漬けて用いた。 金の金色は、相対論効果による軌道の収縮による。

  鉱石の定性分析でも行なわれるように、結晶を直接付けても良いが、多めになりやすいので注意。 大きな球なので、高温で振るとポロっと落ちるので注意。
  終わったら、硼砂球を加熱して 水に漬けて急冷してひびを入らせ 砕いて除く。(そのまま取ろうとすると白金線を痛める。)

 

 色 赤〜褐
酸化炎    − Fe(熱時)、
Ag(熱)
Ni(熱) Cu、Cr Co Mn、Au Ni、Ce(熱)、
Fe(多・熱)
還元炎 Ag、Zn、Cd、
Sb、Bi、Pb、
Ni、V、Mo、
Rh
Ti(熱)、W(熱)  − Fe、Cr Co Au Cu


 



  3. ケミカルガーデン: ・・・ 遷移元素イオンの色 A


  ケイ酸ナトリウム水溶液・3号(昭和化学) を、水で6〜7倍に薄めた液を作る。 それを試験管などの縦長の容器に入れ、2−3mm程度の各結晶を2、3粒入れて、含水ケイ酸塩の成長を観察する。 結晶の溶液がケイ酸ナトリウムと反応して膜を形成し、浸透圧でその膜が破れることにより さらに成長していく。 含水ケイ酸塩には、それぞれの結晶イオンに特有の色がつく。

  入れた結晶は、
  Co: CoCl2・6H2O(塩化コバルト)、 Cu: CuSO4・5H2O(硫酸銅)、 Mn: MnCl2・4H2O(塩化マンガン、塩はピンク色)、 Fe(U): Fe(NH4)2(SO4)2・6H2O(モール塩)、 Fe(V): Fe2(SO4)3・(NH4)2SO4・24H2O(鉄みょうばん、塩は紫色)、 Ni: NiSO4・6H2O(硫酸ニッケル)、 Nd: NdCl3・6H2O(塩化ネオジム)、 Pr: Pr(NO3)3・nH2O(硝酸プラセオジム、塩は緑色)、 Ag: AgNO3(硝酸銀)  で行なった。

  希土類塩は成長が早かったので1時間後、他は 24時間後の写真を撮り、ネオジムは 太陽光と蛍光灯の違いを撮った。
  Co、Mnも速い。Mnは上に浮島ができる。 Ag、Cuは遅い。 Niはほとんど成長しない。クロム・アンモニウムみょうばんは 全く反応しなかった。

    * (注意) 使用後の試験管の掃除は、一回 硝酸を入れて煮沸したのち、底にこびりついたケイ酸を除去するため 濃苛性アルカリと加熱するが、突沸しやすく非常に危険なので、思い切って廃棄したほうが良い。





    § 金の塩(しお)の話:


  緑色の物に 有毒なものが多いので、脳神経がやられないように気をつけましょう。 タリウム塩(えん)は 緑 (緑の枝=タロス(ギ)がタリウムの語源)の炎色反応を示します。 バリウムは有毒。ニッケルは発がん性。 ♪おーまきばはみどり、お馬もみどり、お家もみどり、おー ・・・・・ (?) しかし、葉緑素も緑でした。


  さて、硼砂球に金液を溶かしこむと、金コロイドが分散して 紫色を呈します。 金の薄膜は光に透かして見ると 紫色に見えます。 地殻中の金は、最初は微粒子で、川の流れなどによって粒子同士が集まり、砂金程度の粒の大きさになって川床に堆積します。
  同様に、高温に熱せられた塩(しお、NaCl)にも 金が細かく分散して、いわゆる「金の塩(しお)」ができます。

  その昔、イスラエルの死海のところにあった ソドムという 同性愛の悪徳の街に、によるさばきが下り、主は 火と硫黄を降らせて その街を滅ぼし去りました。 ほとんど雨が降らない地域なので、3000年以上前のその遺跡の 塩や硫黄が 今も残され、故ヘンリー・グルーバー師らによって、イスラエルの大学に持ち込まれて、その塩の分析が行なわれました。 するとその塩は、非常に細かい金の粒子が分散した 「金の塩」ということでした。 つまり、金が蒸発する非常な高温(>2760℃)に晒されなければ生じないものであることが明らかにされ、確かにによる超自然的なさばきが行なわれ、スフィンクスなどに被せられていた金が蒸発して、塩に溶け込んだ という結論になりました。

  聖書の記述の通り、 ソドムの存在と による 恐ろしいさばきがあったことが 証明されたのです。 現代のLGBT法も、さっさと廃止しないと大変なことになります。


         ヘンリー・グルーバー師聖会メッセージ の上の方 




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